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2022.10.13

ダイレクトトレードが人と人を近づける。SCAJに誕生した”ボーダレスな世界”

TYPICAの年次総会「TYPICA Annual Meeting」は12日、3日目を迎えた。東京ビッグサイトで開幕されたアジア最大のスペシャルティコーヒーの祭典「SCAJ 2022」に出展。ロースターが主人公の動画シリーズ「Meet the Roasters Video」を鑑賞した後に、本人のトークを聴く企画や海外生産者のカッピング、オランダを拠点とする「オリジンチーム」の紹介などを通じ、TYPICAが築いてきたコミュニティの今を多様な形で発信した。

SCAJは今年で17回目。国内外の約200社が参加し、14日までの3日間で約3万人の来場が見込まれている。白を基調とし、トークやカッピングで使うテーブルが中央に配置されたTYPICAのブースは、訪れた人たちが車座で囲むデザインが特徴的だ。

トークセッションには動画に出演したLEAVES COFFEE ROASTERSの石井さん、豆ポレポレの仲村さん、COFFEE COUNTYの森さんが参加した。動画は8月から公開が始まり、毎月下旬に新作がアップされている。内容に没入してもらおうと、参加者にはヘッドセットが用意され、コーヒーと共にあるロースターの人生を描いた動画を鑑賞した。

台湾を代表するロースターのブリューイングも行われた。映画業界から転身し、台北でOasis Coffee Roasterを営むユタさんがRockbern coffee(ケニア)のコーヒーを使って実演した。ユタさんはTYPICAとの出会いについて「最初は便利なプラットフォームというイメージだけだったが、今はどこの誰から豆が届けられているのかが分かる透明性が魅力になった。いつも、生産者の顔を見て仕事をしている安心感がある」と語った。

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コロンビアコーヒーのカッピングでは、Coffee Quest Colombiaのロナルドさん、El Paraisoのディエゴさんが登壇。精製所内の動画を見せながら精製プロセスにおけるこだわりを伝えた。13種類のコーヒーをカッピングしたロースターからは「雷に打たれたようなインパクト」「感じたことのないフルーティーさがある」というコメントが送られた。ロナルドさんは「伝統寄りと未来志向のフレーバーをバランスよく並べてみた。日本は伝統を尊重する文化があるので、日本で人気が高い特殊な精製方法だけでなく、コロンビアコーヒーのクラシックな感じもこれまで以上に受け入れてもらえると期待している」と手応えを感じていた。

その他、TYPICAのプラットフォームでコーヒーがオファーされるまでの仕事を知ってもらおうと、オランダを拠点とする「オリジンチーム」を紹介。生産地開拓には「担当エリア」といった概念はなく、各メンバーが専門性や人脈を生かし世界中を飛び回っている。その際に大切にしていることは何かと問われた南アフリカ出身のアーネストは「誰にも知られていないコーヒーに目を向けるのも大切だが、最後は人間同士のコミュニケーションだと思う」と述べた。一方、生産者からオフィスにほぼ毎日届くサンプル生豆を分析するクオリティコントロール担当のサミュエルは「味を見極める時は生産者の情報を入れずに一線を引く。感情に左右されないよう心がけている」と強調した。

ロースターが世界中の生産地を訪れる「TYPICA Lab」でボリビアを訪れた3人のロースターはトークセッションで、農園の見学を通じて学びと交流を深めたことを報告。ボリビアで彼らをもてなした生産者たちが、その様子を傍で見守った。

ブースでは随時、12日から全国放映が始まった「IT’S A NEW WAVE CAMPAIGN」のテレビCMも流された。出演者は役者ではなく、実際のボリビアの生産者とその家族たち。地球の裏側にある国で自分たちが登場する映像を見つめる彼らは何を思っていたのだろう。

文:竹本拓也
写真:Kenichi Aikawa

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